ある日、仕事から帰ってきて、いつものように玄関のドアを開けた瞬間、目を疑いました。
廊下の真ん中に、何かが転がっている。

胴がぷっくりしていて、しっぽが太くて、足は見えない……まさか……ツ、ツチノコ!?
心臓がドクンと跳ねたその次の瞬間、それはくるんと振り返りました。
「……にゃぁ?」
なんとそれは、わが家のサイベリアン、きなこ。
きなこの毛はますますモフモフに膨らみ、背中からお腹、しっぽにかけて見事なフォルムを完成させていたのです。
しかも、廊下でぺたんと横たわっていたので、まるで足のない生物のように見えてしまったわけで……。
驚きと笑いがこみ上げて、私はその場でへたりこみました。
きなこはというと、そんな私の様子を「なんで笑ってるの?」というようなきょとん顔で見つめていました。
きなこよ、君は時々、天然記念物を超えるインパクトをくれるんだよ。
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